大切にしていること絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせについて
私は本を読むことが大好きで、本好きになったことをとても幸せに思っています。
幼児期の読書体験が、その人が本好きになるかどうかということに、大きく影響を与えると思いますが、本を読むということにより、趣味としてもすばらしい時間が過ごせることに加え、
- 興味を持った物事に対して、自分で調べてみようという意欲が育つ。
- 文字による情報を、自らの頭の中で具体的なイメージにしていく過程は、想像力を育む。
- 作家の豊かな表現力に触れ、創造性が刺激される。
- 自分も表現してみようという意欲につながる。
などのとても大切な教育的要素を持っていると考えます。
本好きな子どもの育成をめざして、私たちは絵本の読み聞かせを大切に考えています。
なーんて、かたいこともたまには考えてみますが、要するに、ここに「絵本の読み聞かせ」について書こうと思ったのは、ただ単に、「私は子どもに絵本を読んであげるのが好きなのです、ご家庭でもどうですか?」というだけのことなのです。だから気軽に読んでいただければと思います。
幼稚園での取り組み

絵本の読み聞かせには、大別して、二種類あると思われます。ひとつは、一人、あるいは二人くらいの子どもに読み聞かせる形で、ひざの上に座らせて読んだり、自分の隣に座らせて読んだりという形です。ご家庭などでよく行われる読み聞かせの形ですね。
もうひとつは、大勢の子どもをに読み聞かせる形で、多ければ20~30人くらいの子どもたちに、対面の形で読み聞かせるものです。こちらは幼稚園などで行われるものですね。
私はこんなふうに読んでいます

私は園生活の中で、可能な限り毎日、午後1時50分から2時20分までの30分間、保護者の方がお迎えに来てくれるのを待っている子どもたちを対象に、絵本の読み聞かせをしています。
本を読んでいる途中でお迎えの子が呼び出されたり、対象年齢が3歳から6歳までと幅広いので、少々読みにくいこともありますし、また一日に四冊ほど読みますので、次第に読む本がなくなってきてしまうということもあります。
しかしおもしろい本は何回読んでもおもしろいとみえて、「その本昨日も読んだよぉ」なんて愚痴を言われることはあまりありません。
ですが、子どもたちも目が肥えてきて、おもしろくない場合には、結構その反応がシビアになります。そのせいか、最近は本屋に寄る回数が増え、また絵本コーナーをのぞく時間も長くなりました。よい本、おもしろい本との出会いはご縁ですが、掘り出し物をみつける努力もしています。
絵本を読み始める前に、子どもたちの意識を本に集中させます。そのためには、本をぐるぐるまわしてみたり、わざと逆さにして構えてみたりします。またわざと子どもたちに見えないようにし、自分で「へぇー、ふんふん」などと言いながら絵本を読み、「うわっははは!」などとおもしろがってみせます。こうした工夫により、子どもたちの意識は絵本に集中します。ですが、これで本が面白くないと、子どもたちは急速にさめてしまいます。シビアですね。
絵本の解説書などに、「あんまりこわいろを使ったり、大声を出したりして読むのはよくないことです」なんて書かれていますが、私はけっこう、そのあたりは無視して、読みたいように読んでいます。また「絵本は文学作品です。書かれている内容を勝手に変えてはいけません」なんてことも書かれていたりしますが、私は読みやすいように勝手に変えてしまうこともよくしています。まあ自分も子どもも、双方が楽しければそれでいいんじゃないの、って感覚なのです。
ある落語家さんが、「落語ってのは台本書きから演出、出演まで、すべて一人で、お客さんのその場の反応を見ながらできるから、それが楽しい」と言っていましたが、絵本の読み聞かせもそれに通じるところがあるように思います。
絵本を読むときに、「作者名や出版社名を、題名に続けて一緒に読むとよい」という話を聞いたことがあります。子どもが「○○さんの本が好き」とか、「××社の本を読みたい」とか言うようになるそうで、自分で絵本を選ぶようなときにも大変に有効なんだそうです。私は絵本の読み聞かせを園でするときにはしていませんが、自宅で自分の子に読み聞かせをするときには、なるべく著者名と出版社名を読むようにしています。
読み終わったら、盛大な拍手を要求します。拍手が多いとうれしくなりますが、「早く次の本を読んで!」というセリフもうれしくなります。「えーっ、(本が)短いー!」というセリフも、うれしい反応ですね。
終わってから感想を言わせたり、教訓を垂れたりはしたくありません。あくまで本が楽しければそれでいいのです。ですから私は、教材としての、教訓に満ちたような、道徳的な絵本を読むことはあまり好きではありません。ですが、やはりそこは人の子。「今日読んだ本の中で、どれが一番面白かった?」とちょろっと聞いてみたりはしてしまいます。(^_^;)
絵本の紹介
どうせ読むならいい本を!
つまらない本を、なんとか工夫しておもしろく聞かせるということもありますが、それよりは最初からおもしろい本を、楽しい本を、いい本を選びたいものです。
ですが、本屋さんには、いろいろな絵本が、それこそあふれるようにあります。どれを選んだらいいのか迷うところですね。ここでは私が読んで楽しい本を紹介いたします。もちろん子どもたちも大好きな本です。
小学校での読み聞かせ

一月か二月に一回くらい,曳馬小学校のPTAの方にお声をかけていただき,昼休みに絵本の読み聞かせにうかがっています。一回に二冊読ませていただくのですが、幼稚園では少し難しい絵本でも、小学生は喜んでみてくれますので、私も楽しみに出かけます。また卒園した子が、「えんちょうせんせい!」と声をかけてくれるのも、たいへんにうれしいことです。