こども病院の書架

 個人的な話で恐縮ですが、ちょっと息子が入院中です。静岡のこども病院なのですが、家内が毎日通ってくれて、私は法要がなければ、週末に付添にまいります。入院している息子にはたいへんたいへん申し訳ない話ですが、私、こども病院に行くと、ひとつおおきな楽しみがありまして(うわー、ほんとに書いちゃった! ひどい親…)、それはこども病院の病棟の移動書架が見れることなのです。
 長期入院している子も多い病院なので、病院には図書室が完備され、専任の司書の方も常駐されています。その方もうちの息子のことは前々から知ってくれていたのですが(なにせうちの息子は、こども病院ではわりと有名なので…)、ひょんなことから私もお寺の関係で知り合いになりまして、いろいろとご指導いただいております。
 その司書の方が選ぶ絵本が、これまたこんないい絵本をどこから見つけてきたのですかっ!と問い詰めたくなるほど、いい絵本ばかりで、その書架を見るのがほんとうに参考になるのです。
 御存知でない方もいらっしゃるかと思いますが、普通、本屋さんは本を仕入れ、売れればまあいいのですが、ある期間かかっても売れなかった場合、取次を通して出版社に返品することができます。でも絵本はこの返品制度が効かない出版社が多いようなのです。そこで本屋さんとしては、返品が効く大手出版社の絵本を仕入れることが多くなり、その結果、多くの本屋さんで同じような絵本が並ぶこととなってしまうわけです。そして中小出版社のいい絵本には、なかなか市中の本屋さんで巡り合えないということなってしまうわけですねぇ。
 そんななかなか巡り合えないような絵本がてんこもりの書架。息子には申し訳ないですが、ほんとうに勉強になります。ごめんなさい、ごめんなさい。