お祈り

 昨日、職員のお母様が亡くなりまして、その先生は当然お休み。子どもたちも気にしておりました。あらためてお帰りの時間に、「○○先生は今日、なんでお休みか知ってる?」と聞いてみましたら、子どもたちは口を揃えて「お母さんが死んじゃったから!」と。そうなんだけれど、もうすぐ小学校に行く人はもうちょっと丁寧な言葉で言うようにしようか、ということで、「お母さんが亡くなったから」という言葉を覚えました。
 そしてお部屋にかかっている仏さまのレリーフに手を合わせ、ご冥福をお祈りしましたが、

 私  「心の中でなんてお祈りしたの?」
 子たち「○○先生のお母さんが天国に行けますように」
 私  「そうだね、迷子にならないように天国に行けるといいね」
 子たち「天国に行くのに迷子になるかもしれないの?」

 どきっ! 私は軽い気持ちで「迷子にならないように」と言ったのですが、子どもたちは鋭敏にそこに反応したようでした。これには幼稚園の先生としてではなく、坊さんとしてどきっとしました。そうですね、迷わないように葬儀をして引導を渡すのでしょうから、もしかしたら迷子になる可能性もあるのかも…。どうなんだろう…。私にもうちょっと宗教者としてのちからがあれば、これは子どもたちに死や宗教についてもうちょっと考えるいい機会をあげられたのかもしれませんでした。
(続く)